高野ふみ江さんとの日々
A 趣味と再開二日目、朝はやはり「さぁ、帰ろう。」と帰宅願望あり。近所を一緒に歩き、1時間半程で落ち着かれる。
『さあ、編み物を実行しよう』
そっと、編み物をやられている方の前へ席移動。すると
「昔は、何でもやったなぁ〜。」と、その方の手先を真剣に見つめているふみ江さん。
『あれ、もしかして興味を持たれている?』
「ふみ江さん、編み物やられていたのですね。」手元に毛糸と編み針を差し出すと
「これ誰の?」
「ご自由に使って下さい。」
それからふみ江さんは、何かを思い出すかのように黙々と手を動かされるのでした。
「ふみ江さん、編むの早い!」
「いや〜、遅くなっちまったよ〜。」と同時にはにかみ笑顔。
『ふみ江さんの笑顔だ!そういえば見るの初めてだ!!』
「ヤスさんの笑顔、最高に素敵!」スタッフたちが周りを囲みます。
「そんな事無い〜。」そしてまたはにかみ笑顔。
この事がヤスさんを自然体で過ごしていただくきっかけになりました。
この日を境にヤスさんは、他の方の行っているものを一緒に作られるようになり、レクにも少しずつ参加されるようになったのです。
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