高野ふみ江さんとの日々
B 思わぬハプニング5月28日月曜日、朝の準備に勤しむスタッフ達。
「今日も、みなさん元気にいらっしゃるといいですね!」
「また、楽しみましょう!」
朝からわくわく。すると一人のスタッフが
「あれ、ふみ江さん?!」
「え?何だって?!」
スタッフの指差す方向を見ると、そこには玄関を開けるふみ江さん
「遅くなってごめんね。」そう言いながら、そーっと部屋へ。
一瞬固まったままの私たち。
「あれま、誰もいない。」その言葉に我に返り、
「ふみ江さん、一番のりですよ!」
「さあ、どうぞ!」
ふみ江さんは、いつもの笑顔で微笑み「あぁ、どうもね。」
これまでで一番スムーズに席に着かれました。
私たちの頭の中は、『一人で来られた、一体どうして。』
実は、月曜日はふみ江さんの来所日ではありませんでした。
すぐにご家族に電話でご説明。するとお嫁さんから
「ちょっと目を離した隙に、外に出てしまったみたいで。よかった行き先がわかって。きっと道を覚えていたんですね。」
そう、ふみ江さんはご自身の意思でここまで来られたのです。
車の通る道も少し急な坂も・・・ただひたすらにここを目指して来てくれたと思うと、無意識にふみ江さんを抱きしめてしまいました。
それから、すぐにお嫁さんがお迎えに来て下さいました。
「ここがどうやら気に入ったみたいで、次はあそこいつ?て聞いてくるようになったんです。」
私たちの心が一気に舞い上がりました!ふみ江さん、ありがとう。気に入って下さって。
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