米田チエさんとの日々
D 自分らしく眞理子さんと過ごしていくうちに、年相応の認知症だということがはっきりとわかってきました。
最初は「ボケたら最後、その為にも自分で全部やらないと。」
とおっしゃっていました。
しかし最近では「私、ボケてきたのよ、まあ、90年も生きていればしょうがない!」
と自分自身をきちんと受け入れられています。
無理して気を張ることも無くなり、昼食準備の際に「HELP!」と叫ぶと「OK!」と誰よりも早く反応されます。
「眞理子さん、いつも手伝って下さってありがとう。」
こう言うと必ず
「動ける私は、動かないと。それに家でもこうやって動いているから。」
そうか、眞理子さんにとって昼食の用意も日常のひとつ。
これからはお願いするというよりは、自然とやっていただこう。
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